| COLUMN●コラム | ||||
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第5回 (2001年2月25日) 「 全盛期の大相撲や吉本新喜劇みたいになってきた」 ■忍者1号2号 今年はいいな。ロスアンゼルス・ギャラクシーとのプレシーズンマッチを見て、 嬉しくなっちゃった。 もうサポーターはみんなわかってるんだな。 後半、早川から渡辺に代わり、 アドリアーノから田中に代ったのが場内アナウンスされた時、 期せずして拍手と 「渡辺コール」「田中コール」が沸きあがった。 私は、向こう正面の2階席にいたのたが、すぐ右横に、 レッズに詳しい女性がいて、連れの友人にいろいろ解説をしていたのだが、 さっそく渡辺が登場した途端、声まで弾んで、 「ほら、出てきたわよ、忍者1号」 とまず一言。 その説明をまるで聞いたかのように、小柄な渡辺、 あちこちコマコマと歩き回って、突然敵前に現れては、 アッという間もなくボールを奪っていく。 私、実戦で渡辺を見るのは初めてなので、 「あら、本当に忍者みたいなヤツが現れたな」 とニッコニコしてたら、その女性、 「次に忍者2号も出てくるからね」 というや否や、さっそく田中の登場だ。 これがまた小さいのに、よく動く。 特にそのコマネズミみたいなドリブルで敵DFをすり抜け、 絶妙のパスからトゥットの2点目につなげた時はびっくりしたね。 サポーター席もたちまちの絶叫のような田中コールだ。 もらったパンフレットを見たら渡辺が164センチで田中が167センチか。 見た目の通り、本当に背が低い。 それだけで、もうプロ選手としては立派なキャラクターなのだが、 どちらもただ小さいだけでなく、持ち味が微妙に違うところがいい。 渡辺は神出鬼没、骨惜しみせずにどこにでも現れるフリーランニングが得意なら、 田中は敵の股間まですり抜けていきそうなドリブルが強い。 つまりキャラクターが完全にはかぶらない。 ■キャラクターだぁ 正直、今年のレッズがJ1で優勝争いにまで首を挟めるかはわからない。 しかし、きょうの試合を見て、 少なくとも去年よりはずっと見ていて面白い試合をやってくれるのは確かに思える。 楽しみなキャラクターがとにかく揃ってくれたのだ。 岡野のスピードは相変わらずだし、 2点を決めたツゥットも岡野に負けないだけの突破力と決定力を持っている。 ドニゼッチが見られなかったのは残念だが、アドリアーノは見ることができた。 あの選手もなかなか笑える。 MFのはずなのにどんどん前に出てきちゃって、 気がつくといつもツゥットの前に出てる。 お調子者なのか、目立ちたがりなのか。 それでいて、ちょうど岡野のシュートがポストに当たってやってきた 絶好のシュートチャンス、 しっかりハズしてサポーターをコケさせたあたりの呼吸も絶妙。 ペトロの抜けたキャラクターの穴をうめてくれそうだ。 西野のどこか危なっかしいDFぶりも相変わらずだし、 井原の、岡野への絶妙な縦パスと、 やや年をとってほんの半テンポ遅れがちになるボール回しの状況判断なども、 十分に芸になっている。 これで忍者が二人いて、まだ小野もいる。 福永、福田をはじめ、きょうは顔を見せていない選手たちにも、 時と場合によっては主役になりうる個性を持った人がまだまだいる。 プロの試合はチームとして強いのも当然だが、 選手個々が得意技や個性を持っていなければ見てる側はワクワクできない。 ■サッカーと相撲とお笑い 話は戻るが、特に小柄の面白い選手がいるかどうかはすごく大切なのだ。 たとえば大相撲だ。 舞の海が引退したことで、どれだけ大相撲の魅力が失われたことか。 彼が曙や小錦と同じ土俵で相撲を取るだけで、 すでに理屈抜きに大相撲の醍醐味は尽くされている。 お笑いの世界でいえば、たとえば吉本新喜劇だ。 かつての全盛期、観客の笑いを圧倒的にさらったのは間寛平のおかしな動きだったが、 あのチビを売り物にした池乃めだかの小味なギャグがなかったら、 寛平の動きもそれほど爆発的な破壊力は持たなかっただろう。 恐らく、渡辺や田中も同じだ。彼らは主役とはならないだろう。 だが、彼らがいることで、俄然、 2001年のレッズが魅力的になったのは間違いない。 相撲協会もやっと、この「舞の海」の大切さに気づき、 今年から体の小さいものでも力士になれる道を開いた。 そしてレッズには「舞の海」がふたりもいる。 皆さんの感想が山中さんのモチベーションとなり次のコラムとなります。 是非とも感想は「山中伊知郎コラム感想掲示板」までお願いします。 (山中さんも見て、書き込みをしております) <無断転用・転載を禁じます>
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