COLUMNコラム
 

          
第81回 (2004年6月25日)
「つまらないトリオ・コント」


6月26日  ○2−1  FC東京(埼玉スタジアム)
 
  自転車で家から埼玉スタジアムに向かっていこうと走り出してすぐ、道路の真ん中
でのたくっていた蛇に出会った。しかし、こっちが驚く間もなく、蛇の方があわてた
のか、すぐに近くのくさむらに逃げ込んでいった。
  イヤですね。家のそばで蛇を見るなんて何年かぶり。気持ち悪いな、縁起でもない
な、と思ったが、昔のことわざによれば、蛇を見たら縁起がいい、なんてのもあるら
しい。果たしてこれは吉と出るか凶と出るか? そんなことを考えつつスタジアムに
ついた。
 自転車置き場には、まるで私の自転車の到着を待っていたかのように、スッポリと
駐輪スペースが空いており、これはまず吉。
  暑いんで生ビールを買って飲もうとしたら、列の前の方がスムーズに進んで、もの
の2−3分のうちに買えてしまった。これも吉。
  しかし、試合が始まると、前半しばらくは「くそったれ!」コールも空しく、明ら
かにFC東京に押される展開。それにしても、やはり相手のサポーターに「トーキョ
−!」と連呼されると、なぜかサイタマがバカにされているような気分になって、ム
ラムラッと怒りが沸いてくる。たぶんこれが選手たちの「力み」にもつながって、対
戦成績がよくないのだろう。
  結局のところ、凶と出るかな、とイヤな予感が走った前半ロスタイム、一転しての
先制点だ。正面スタンド左側の私の席からはレッズの誰が点を入れたのかわからず、
しばらく場内放送を待ったのだが、なかなか名前が放送されない。後半すぐ、オーロ
ラビジョンの表示でオウンゴールと分かった次第だ。これは完全に吉だ。
  後半に入って2点目も決まり、きょうばかりは東京に対する過剰な意識もなく、ス
イスイと勝利が得られるかと楽観したところにスリルとサスペンスを与えてくれたの
が以外にも相手選手ではなく審判だった。
 田中達也の、どう見ても「合わせ技一本」としか思えないようなレッドカード退
場。最後に退場させられたファウルはカードを出すほどとは思えず、その前のゴール
前でのプレーを含めてカード出すというのは、「そういうのアリ?」と私のまわりの
観客も口々に怒っていた。さらにその後、他の審判に聞いてからFC側の茂庭を一発
退場させたのからみても、きょうの審判ははっきりいって優柔不断。決断力のない審
判なんて、そりゃ職業の選択を誤っている。
  いろいろあったが、後半は1点づつ入って、トータル2−1の勝利。後半残りの5
分はさすがにビビッたが、あの、サポーターみんながタオルを振って応援するのは見
ていてとってもキレイ。毎試合やってほしいくらいだ。
  くしくも、かつて原監督の指揮下であげたのと同じ、レッズ最高位のステージ3位
か。だが、前回と今回の3位は明らかに違う。前はろくに実力もなかったのに、勢い
だけで3位になっちゃった。そのすぐ後にJ2に落ちたのでも、よくわかる。今回
は、闘莉王を入れ、三都主を入れ、勝てる陣容を整えた上での3位だ。相撲でいえ
ば、前回は前頭下位の実力の力士が、一瞬だけ調子よく勝ちこんで上位に上がっただ
けだったのが、今度は十分に三役力士としての地力をつけての好成績。遠からず、大
関、横綱の地位も狙えるところに来ている。
 結果だけみたら、蛇と出会ったのは縁起がいいってことになるのか。ただ、気持ち
悪いから、出来ればなるべく出てこないで欲しい。


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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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