| COLUMN●コラム | ||||
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第70回 (2003年11月22日) 「徒労」 11月22日 ●1−4 名古屋グランパス〔瑞穂〕 ガッカリしちゃったよなァ。丸一日つぶして、2万円あまりの旅費を払って見た試 合があれじゃなァ・・・。4点目を取られた時、レッズのサポーター席の中で、数人 ながら立ちあがって帰っちゃった人がいた。きっとあの人たちだって浦和の方からわ ざわざ長い時間をかけて来たんだろうに。それでも最後まで見る気がしなかったのは よくわかる。 私個人としちゃ、けっこう幸先よかったんだけどなァ。 前日に新幹線のチケットを買いにいくと、指定席はもう満杯だという。しょうがな い、連休初日なんだから。でも、調べてもらっている最中、ちょうど行きも帰りも1 つづつキャンセルが出て、そこにもぐりこめた。 「これはラッキー! 明日もいいぞ!」 とまずは勝手に勝利の前兆に喜ぶ。この試合を落としたら、第二ステージ優勝はない。 私が指定席を拾ったように、レッズも勝利を拾うに違いない! その指定席を取った新幹線が「のぞみ」の東京駅9時3分発だ。一応、自由席の方 も見てみたら、乗車率150%くらいの混み混み状態。改めてラッキーを感じる。 乗ってる時は分からなかったが、1時間40分かかって名古屋駅を降りて、同じ新幹 線にレッズ・サポーターがけっこう乗っていたのに気付く。旗と、首に巻いたレッズ のタオルが特徴だ。さすがに名古屋駅の段階でユニフォーム姿の人はそうは多くない。 駅から、地下鉄の桜通線というのに乗り換えて瑞穂競技場前という駅に行く。20分 足らずだ。この地下鉄の車両の中では圧倒的にレッズ・サポが多数派になっていた。 その競技場前駅から瑞穂の陸上競技場までは歩いて10分足らずくらいか。どうせ場 内は弁当も高いだろうから、途中にコンビニがあったら弁当買って行こう、と左右見 まわしたが、ない。今どき、名古屋ほどの大都会で、こんなにコンビニのない地域が あったとは! 11時半過ぎには競技場についてしまったが、チケットには「12時開 場」とあったので、また列に並ばされるのかと思いきや、すでにとっくに開場されていた。 入場には荷物チェックなし。ここに名古屋人の、金にならない細かいことにはこだ わらない鷹揚さを感じた。 さっそくレッズ側のゴール裏の自由席に行くと、そこそこは埋まっているが、左 右、十分に空席がある。名古屋ともなると、みんな来るのは大変なんだろう。駒場や 国立の自由席で、こんなにスイスイと席が取れることはない。 でも、12時過ぎに、グランパス側の自由席に行ってみたら、半分近くの人が、レッ ズ側のサポーター席を見て、 「いっぱい来てるな」 と、つい口に出していた。他のチームで、アウエーの席が埋まるくらいサポーター が来るところは恐らくないんだろう。 瑞穂は陸上競技場にしては観客席とピッチが近く感じて見やすいし、二階のトイレ が近くてなかなかいいのだが、売店の飲食物の料金は高い。ヤキソバ500円のおに ぎり弁当500円は駒場より100円は高い。名古屋人のセコさをここに感じた。 1時を過ぎて、レッズ側の自由席もほぼ埋まりつつあった頃、まだキーパー以外の 選手が練習にも出てこない時間帯、いきなり先発メンバー発表が始まる。早過ぎる! メンバー発表は、選手の練習も一段落して、よし、これから試合開始だっていう開 始15分前くらいにやってもらわなきゃ力が入らないではないか! 1時間近くも前に やられたら、その後、観客は手持ち無沙汰ではないか!しかもホームのグランパスの 選手からどんどん紹介していくのも、盛り上がりの点では弱いのではないか! ここ では、名古屋人のせっかちさを感じた。 せっかちさを感じたのには、もうひとつある。試合開始直前、放送とビジョンで、 今年のグランパスのチーム内での最優秀選手の発表だけでなく、わざわざ両軍選手が 整列しているところで表彰までやっていた。 そんなことは試合後やれ! レッズ・サポーターとは何の関係もない! てなわけで、いろいろな名古屋人の気質を肌で感じつつ試合は始まったわけだが、 ちょうど私の座った席の後ろにいた若者二人組が、自分たちでもサッカーをやってる んだろう、うるさいけど、けっこう分析が的確なので、つい会話を聞いてしまう。ま ず、きょうの主審が長田なのを見て、 「長田か・・・。イエローいっぱい出すぞ」 「いや、イエローは出しても、あいつは気が小さいから、なかなか2枚目は出さな い」 なんて、主審の傾向分析から始まっている。 強風で、前半レッズが風下に立ったことも、 「平川は、もっとサイドライン際に縦に長いパスを思いきり蹴って、永井や達也を走 らせなきゃ。どうせボールは止まるんだから」 「パス短か過ぎ! あれじゃ取られる」 とうしろで口を酸っぱくしていってる。選手の中では、特に矢面に立っていたのが 永井だ。自分で相手のファウルと判断してプレーを止めちゃったりするケースがしば しばで、 「永井! 笛が吹くまで力抜くな!」 私の周りでも、すっかり「永井=ダメ・キャラ」になりかかったところで、前半終 了直前、同点ゴールを入れてくれたから、こら嬉しかったね。 エメと比較され、「あいつはダメ」とみんなに思われつづけていた永井が、ついに 決めた。これがキッカケとなって後半のレッズは、ナビスコ決勝で見せてくれた大爆 発を再現することだろう・・・。 まさか、それがどうしようもない幻想であったとは・・・。前半は賑やかだった後 ろの二人も、後半2点目を入れられたあたりで声のトーンが落ち、3点目が入ってし まったあたりに、ついには言ってはならないこの一言が出た! 「エメだな・・・。エメがいたから、そっちにDFがひきつけられて、達也のドリブ ルが生きてくるんだよ。達也だけじゃ、局面は作れないよ」 あーあ、それを言っちゃあお終いだよ。でも、言いたくなっちゃうよな、やっぱ り。エメルソンの、一度飛びだしたら止めようがない拳銃の弾丸のようなスピードが あるからこそ、局面はクルクルと打開できるのだ。田中にそれを求めるのは酷か? それにしても、ウェズレイの、ほとんどビデオテープでも見てるような、おんなじ ようなヘディングシュートに3回もハマるとは、レッズのDF陣も芸がなさ過ぎるの と違うか? また、セコくてセッカチで、金がからまないと鷹揚になる名古屋人にや られたというのが、どうも妙にハラも立つ。 いや、セコいのは私も同じだ。こんな試合で旅費が2万円以上か・・・もったいな い、もったいない、とつぶやいているうちに名古屋駅についてしまった。帰りの新幹 線、指定席は満杯だったが、自由席はけっこうガラガラ。何だ、これなら、別に指定 席取れたからって喜ぶほどのもんじゃなかった、とまたちょっとガックリ。 こういうのを「徒労」というのだなァ。 「お知らせ」 『浦和レッズ絶対主義』(長崎出版) ![]() ↑こちらをクリックすれば、買えるようになりました。 皆さんの感想が山中さんのモチベーションとなり次のコラムとなります。 是非とも感想は「山中伊知郎コラム感想掲示板」までお願いします。 (山中さんも見て、書き込みをしております) <無断転用・転載を禁じます>
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