COLUMNコラム
 

          
第67回 (2003年10月20日)
「飛田給は驚きの宝庫」


10月18日   △1−1  FC東京(味スタ)

  飛田給の駅を降りてから、驚くことの連続だった。
  ワールドカップみたいだったからね、いきなり出口の階段降りたら、
「ナビスコ杯決勝のチケット譲ってください」と紙を持って立ってる人たちが
ズラッと10人くらい並んでる。
みんな、そこまで追い詰められてるんだ、と思いつつスタジアムへ歩いて
いく途中にもポツリポツリと、やはり紙を持ってチケットを求めてる人たちが
立ってる。

  前を歩いていたFC東京・サポーターらしき男の二人組がそれを見つつ、
「ナビスコなんてテレビで見りゃいいじゃないか」
「どうせ、試合間近になったら、チケットなんて、いっぱい出てくるよ」
 とノーテンキな会話をしていたが、後ろから頭ひっぱたいてやろうかと思った。
  自分がその立場になったらわかるって! 
自分たちだって優勝経験ないくせに、エラそうなことをいうな! 
ナマで見てこそ、優勝の喜びを分かち合えるのは当たり前の話だし、
レッズ・サポーターがどれほど今回のナビスコカップのチケットをゲット
しようと集まったかを体験してない人間にどうこう言って欲しくない。

  それにしても、ずっとレッズの試合を見てきて、あんな光景に出会った記憶は
ちょっとない。
  続いて驚いたのが、レッズ側自由席の入り口前にできていたすごい行列だ。
私がスタジアム前についたのが試合開始1時間40分前。アウエーだし、
まさかそんなに人はいっぱいいないだろ、と楽観してたのが甘かった。
すでにレッズ側だけは数千人単位でズラッと行列ができており、
「おい、こりゃヘタすっと席ないんじゃないの?」と
危機感を感じるほどだった。ナビスコの準決勝あたりから、
どうもみんな尋常じゃなくなってる。
 
列の流れは思いのほかよく、15分くらいでスタンドに入ったら、
二階席も開放されていたためか、
まだ座席の余裕はたっぷりあったので安心したけど。

  そしてもう一つ驚いたのが、なかなか先発メンバーの発表がなかったことだ。
  同じ味スタがホームのチームでありつつ、ヴェルディとFC東京が、
試合開始前の盛り上げに関してぜんぜん違うのは、
記憶として残っていた。ヴェルディは、観客が少ないくせに、
チアガール出したり、昔の強かった頃の映像流したりして、かえって
物寂しさを感じさせる。
一方、サポーターがけっこう集まるFCの方はなぜか無愛想で、
開始前のイベントっぽいものはほとんどない。
  そんなイベントがないのはどうでもいいが、先発メンバー発表が
試合開始10分前になっても始まらないのはビックリもビックリだ。
結局はやったけど、やらないまま始まっちゃうんではないかとヒヤヒヤした。
あのブーイングがないと、試合前の気がしない。
  ついでにいえば、場内放送がなぜ英語なんだろう? 
観客の99%以上は日本人なんだから日本語でいいじゃないか。

  試合そのものは「残念無念」というしかなかったな。あのオウンゴール、
逆側だったんで、どう点が入ったのかよくわからなかった。
最初は敵DFのジャーンて選手の得点、て放送もされたし。
まさか山瀬のクリアミスとはな・・・。
これは不運なめぐり合わせというしかない。

  後半の猛攻だって、2度3度とゴールポストにはじかれて、
まともにいったら3−0くらいで勝っていてもおかしくない試合だったが・・・。
  運がないというのか、負けずに引き分けにはなったのだから、
そこそこ運は残っているというのか、判断は難しい。
ただ、売り物の2トップが相変わらず好調を維持しているのは確かだ。
 さーて、この調子の良さが、まずは11月3日まで続いてくれるか? 
田中達也あたり、あまりに9月から10月にかけてテンションが上がりすぎ、
そろそろバイオリズムが落ちる頃なんじゃないかと不安になってくる。
必死になってチケットを求めているサポーターのためにも、
とりあえずあと半月、ピークを維持してほしい。

 ちなみに、ナビスコカップのチケット、私も知り合いにお願いしまくった末、
ようやく自由席を2枚、確保することができた。
だが、ホーム、つまり鹿島側だ。
これは、今年は鹿島側にもレッズ・サポーターがだいぶ流れそうな気がする。




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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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