| COLUMN●コラム | ||||
|
|
|||
![]() |
|
|
第66回 (2003年10月1日) 「その気になっちゃいけない」 10月4日 ○3−0 セレッソ大阪(駒場) 試合が終わって10分近く、、自転車置き場に行くと、 いつもとはまったく違う光景だ。 田中達也のインタビューもすんでいるのに、 ほとんどの観客は席を立っていないのだろう。 まだ、バイクも自転車も大半が残っている。普段の試合後なら、 もう半分くらいはなくなっている時間帯なのに。 それだけみんな、試合の余韻を楽しんでたってことだな、 つまり。私の席のちょっと後ろに、やたら高音の金切り声を上げて、 耳障りな応援をする女性がいたが、 きょうは、前半は少し気になったものの、後半になると、ほとんど気に ならなくなった。なぜなら、他の観客の声が大きくなって、 彼女の声もかき消されてしまったから。 それくらい、後半はみんなノリノリだった。 「レッズは10人でやった方が強いんじゃないの」 「この3点は大きいやな。優勝争いの最後は得失点差が決め手になるから」 後ろの席のおじさんたちも、すっかり余裕の会話を交わしている。 そうなんだよなァ。ニキフォロフが退場になった時は、 「あれでレッドかよ! 岡田! お前は大久保のオフサイドは見逃しても、 あれは見逃さないってのか!」と怒ってた私のすぐ後ろの若者も、 やがて「10人になって、レッズはまとまったね」なんて喜んでる。 私は「一病息災」って言葉を思い出した。 ひとつくらい病気を抱えている方が、緊張感もあり、 体も労わるので、長く健康を保てるってことだ。 きょうのレッズは、まさしくこの一病息災。一人選手が欠けたことで、 逆に緊張感が生まれ、とにかく現状を打破しなくてはならない という積極性につながった。引き分け狙いでいってもいい ところをあえて点を取りに行った力強さは、今までのレッズから考えると、 非常に珍しい。 これはFWの二人、特に田中達也の気味が悪くなるほどの 好調ぶりが最大の要因だろうな。 私も、きょうの試合は大久保・田中の両若手FWの激突が 最大の見所と考えていた。 お笑いでいえば、上り坂の中川家とますだ・おかだが激突する M1グランプリのようなものだ。 前半の主役は大久保だった。 レッズ・サポーターから「大久保、大久保、くそったれ!」などと ヤジられながらも、森島と一緒に前線をオフサイドぎりぎりに ちょこまか動き回り、しばしばレッズ・サポーターをヒヤヒヤさせてくれた。 時には、あまりのヤジにマジ切れして、ラフプレーに走りかけたりしたのも、 イジメっ子顔の大久保らしい。この大久保をマンツーマンで、 とにかく押さえ込んでいたのがニキフォロフだった。 そのニキフォロフが後半になって退場くらったのだから、こっちもアセる。 また、前の試合みたいに大久保にガツンガツン決められるんじゃないか という恐怖が蘇ってきたのだ。 実際、ジャンピングボレーの危ないシーンもあったし。 だが、10人になったのを境に、圧倒的に目立ちはじめたのが田中達也だった。 ひょっとして、あのドリブルはワールドクラスなんじゃないの、 と思えるほどにスイスイと相手DFを抜いていく。 1点目だって、実質的に90%は達也のアシストで決まったような 得点だったもんな。結局、最後は無得点のまま途中交代した大久保と くっきり明暗を分けた。 達也のこんな調子が続いたら、ホント、優勝しちゃうかもしれない。 去年の第二ステージは後半になってから尻すぼみで終わったけど、 今年は試合を重ねるごとに上り調子になってきてる。 上にいるマリノスも、そんなに絶対的な強さがあるとは思えないし、 アントラーズやジュビロの優勝常連組も、実力は下降線。 結局は、ダンゴ状態が続いて、勝ち点が同じで得失点差で決まる事態に 実際になりかねない。だとすれば、レッズは明らかに有利だ。 まだまだ優勝の可能性を残しているナビスコカップを含めて、 2003年の11月にレッズが大ブレイクすることは十二分にあり得る。 93年のJリーグ開幕以来11シーズン目、きょうの試合なんか見ると、 一気に突っ走ってしまうかもしれない、ってだんだん思えてくる。 ただ、後ろの席のオジさんが、はからずもこう言ってた。 「このチームは、その気になると、裏切られるんだ。 だから、その気にならないようにしなきゃいかんのよ」 同感。 「お知らせ」 『浦和レッズ絶対主義』(長崎出版) ![]() ↑こちらをクリックすれば、買えるようになりました。 皆さんの感想が山中さんのモチベーションとなり次のコラムとなります。 是非とも感想は「山中伊知郎コラム感想掲示板」までお願いします。 (山中さんも見て、書き込みをしております) <無断転用・転載を禁じます>
|
|||||
●「山中伊知郎は語る レッズよ、勝て!」TOPへ
|
|||||