COLUMNコラム
 

          
第62回 (2003年7月26日)
「度重なる凡戦」


7月26日   ○3−2  ベガルタ仙台(埼玉スタジアム)

 宮城県に大きな地震がありながら、けっこう来てましたね。
ベガルタ・サポーター。エラい! 
新幹線が止まったりせず、ちゃんときょうのうちに帰れることを願うばかりだ。 
それにしても、ここ数試合、どうも「消化試合」の匂いがする燃えない試合
ばかりだ。
きょうは相手がJ2陥落の危機にあるベガルタだから、ちっとはモチベーション
上がるかな、と期待しつつ自転車に乗ってやってきたが、
今年の夏の気候のように、冷えたままでいつになっても気温は上がらない。

  スコアをみると3−2と賑やかだが、阿部に石井に福永にと、
何だかもう3−4年前のレッズをそのままコピーしたみたいなチームを相手に
接戦に追い込まれる方がおかしい。怖いのはマルコスくらいなんだから。
  決勝点をあげたゼリッチだが、相変わらずボールをキープしてからのパス出し
は遅いし、しかもいいところにいってない。
得点シーンにしたって、あれはエメルソンのアシストがよかったからで、
90%はアシストの取った点だ。そのエメルソンにしてからが、
「さすがエメ!」と叫びたくなるスピード感あふれる得点をなかなか見せてく
れない。それでもそこそこ勝ったり負けたりで真ん中くらいの位置をキープしている
ものだから、ますます修正なしでダラダラと試合が消化されていく。
 
  観客動員数も3万1千人台。埼玉スタジアムでの試合も、
だいたい3万から3万5千人くらいで固まってきている。
つまり、それがレッズの持っている基礎的な観客数であって、
今のところ、それ以外の層には広がっていないのだ。

  とにかくテーマがないのが弱ってしまう。とりあえず第2ステージも優勝するほど
の戦力ではないとしても、J2落ちもよほどのことが重ならない限りはないだろう。
ジュビロあたりには勝てそうな気はしないが、ベガルタやトリニータなら、順当に
いって負ける気はしない。戦術的にも別にユニークというほどでもなく、
しばしば3トップにしてみたりするが、超攻撃的チームでもない。
そこそこにまとまりがあり、存在としてちょっと変わっているのは、
審判にファウルを取ってもらわなくてもとりあえず倒れ続けるエメルソンくらい。
後は、小学校時代からサッカーをやって、エリートとして期待されて
プロになったような優等生タイプが多い。
 ピッチの中より、それを囲むサポーターの方が面白いのだから、困ってしまう。
エジムンドがいたら、もう少しワクワクするサッカーを見せてくれたかも
しれないけどね。

  今度来たロシアのニキフォロフが、強烈なキャラクターと確実な技術を持った選手
であるのを心から願う。でないと、見る側としては、目的もなく、ただ惰性で駒場や
埼スタに通うだけ、のような状態に陥ってしまう。憎まれ役だろうが、嫌われ役だろ
うが、見て面白ければいいのだ。
大相撲だって、若貴引退で一気に下り坂になった人気を、
かろうじて横綱・朝青龍の強烈の悪役キャラで踏みとどめているくらいなのだから。






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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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