COLUMNコラム
 

          
第59回 (2003年7月5日)
「本当に一皮むけたのか?」



7月5日   ○2−1  大分トリニータ(駒場)

  ヒーローインタビューが永井だったことについては、抵抗がなくもない。実質的に
決勝点を決めたのは田中達也だったし、永井は最後にちょこっと足を出した
だけじゃないか、と憤慨される方もあるだろう。それ以上に、得点を決める前の
永井が、あまりに踏ん切りが悪く、シュートをうつべきところでも躊躇して
打てない姿に、「てめーなんか、ストライカーじゃねー!」
と怒り心頭の方も確かに多かったろう。私の左後ろの席のオジサンは、点を決める
までの間に少なくとも3度は、「永井! ひっこめ!」
 と叫んでいた。よく、日本代表になって世界の舞台を肌で知ると、
たとえ出番がほとんどなくてベンチにいても一皮むけて戻ってくる、
なんていわれるが、永井についてはあんまり関係なかったのかもしれない。
  もし関係があるとしたら、山田だ。「あれ、何かあったの?」と言いたくなるくら
い、積極的に前に出てた。日本代表でフル出場した自覚がプレイに表れたのだ
ろうか、それとも相手が格下・トリニータの安心感ゆえか、あるいはただ体の調子
がよかっただけに過ぎないのか? 今後の試合を注目しておきたい。
 
 相変わらず、倒れても倒れてもなかなかファウルをとってくれないエメルソンは
健在で、もはやこれはレッズの名物のひとつとなっている。
左後ろのオッサンも、エメが倒れるたびに、とても嬉しそうに、
「お前が倒れても、誰も骨を拾ってくれねーぞ!」
 なんつってる。いいことだよね。こういう、プレイの中にはっきりした
キャラクターのある選手がいてこそ、サッカー観戦はますます楽しくなる。
高速ドリブルの田中達也も含め、きょうの試合で観客の目を楽しましてくれた
のは、明らかにあの二人だった。

 ま、逆に恐怖のバックパスで明らかに観客をヒヤリとさせたのはゼリッチだな。
パスの名手のふれこみだったが、あの選手、前にパスするより後ろにする方が
多いから困る。

  試合は、ほぼ順当勝ち。1点リードされていた時点でも負ける気がしなかった
くらいで、まずは満足。ただ、1カ月以上間があいての第1ステージ再開、って
いういつもながらのスケジュールは、そろそろ限界だな。
最近はヨーロッパのサッカー情報も雪崩のように入ってくるから、
6月はシーズンオフ、7月から新しいシーズンが開幕、というヨーロッパ時間
の方が当たり前になってきてる。
もう日本も、それに合わせるしかないんじゃないのかな。
  だいたい1カ月も間があくと、どことどこが優勝争ってたのか忘れちゃう。
「へー、ジェフがこんなに上にいたのか?」
 びっくりしてるくらいだから。
  しかし、ジェフに優勝されたら、いよいよJリーグ開幕年から参加しているチーム
で優勝経験ゼロはレッズとガンバだけか・・・。
寂しいような、情けないような・・・。




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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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