| COLUMN●コラム | ||||
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第48回 (2002年11月16日) 「サッカーを見てえな、サッカーを」 ■11月16日 ●0-1 対ガンバ大阪(駒場) どうも、寂しい結末になってしまったものだ。 優勝の可能性がゼロになるのは、それは仕方ない。昼間、 ジュビロ磐田の試合をテレビで見てて、 「こんなに強えんじゃ、負けるわけないか」 と心の準備はできていた。 終わりは終わりでいい。ただ、終わらせ方というのがあるのではないか? 10月12日に首位に立って以来、いや、その前、 10月2日にナビスコ杯準決勝でガンバを破って以来、 レッズのサポーターは夢を見させてもらった。 「今年こそ、イケるのではないか・・・」 そういう夢を与えてくれたのは、確かにありがたい。 夢が実を結ばなかったとして、それはあくまで時の運。 でもね、どんな夢でもエンディングが悪いと、美しく楽しい思い出としては残らないのだ。 寒い試合だった。先週のジェフ戦以上に寒い試合だった。 なぜ11月にもなって午後7時開始の試合をやるのか、 と腹が立つくらいに手足が冷える中を、やってきた観客は1万8千人以上。 それだけ、サポーターたちは、もはや優勝の望みが風前の灯火となったレッズが、 最後の最後でどんな底力を見せてくれるのかを期待していたはずだ。 私、家から駒場までは自転車で行くのだが、こんな気候の中でも駐輪場の混雑もいつもと同じ。 場内に入って席につこうとしたら、 どの席にもお札くらいの大きさに切った新聞紙の束が置いてある。 選手の入場の際には、この新聞紙を一斉に投げて、紙吹雪で景気をつけようということらしい。 いろいろ考えて、選手を盛り上げようとしているわけだ。 どうも、暖かいね、レッズのサポーターは。暖かすぎるかもしれない。 しかし、先発メンバーの発表を聞いた瞬間、何ともイヤーな予感がしたものだ。 ずっと続けていた3トップをあえてやめ、エメルソンとトゥットの2トップにしたこと。 それに、まだ試合に一度も出ていないゼリッチをいきなり先発で使ったこと。 はっきり言って、いきなりシステムを根底から変えるなんていうのは、 消化試合のお試しモードそのものではないか。 「もう優勝は諦めましたので、ちょっと新しいやり方を試してみます」 と宣言しているようなものだ。 ちょっと、それはないぜ、とムラッと来る。 だって、まだ数字の上では優勝の可能性は微かながらも残っていたわけでしょ。 プロなら、それがゼロになるまでは諦めずに全力を尽くすべきではないのか? 3トップを2トップにしたの以上に、実戦慣れしていないゼリッチが出てきたのに、 強い憤りを感じた。試したいのなら、完全な消化試合になってからでいいじゃないか! いや、それだけじゃない。なぜ消化試合と割り切るなら、 2外人の2トップで、DFにゼリッチなのだ。 将来を見据えて、若い日本人選手を起用してこそ、 「お試し」の意味があるのではないか? 永井、田中の2トップでもいいし、それに千島を加えた3トップを 一度試してみてもいいかもしれない。 DFだって、堀之内にしろ南にしろ、まだ一度も実戦に出てないようなメンバーを どんどん試せばいいじゃないか。 オフト監督に別に恨みはないし、第2ステージ中盤までの快進撃は素晴らしいとは思うが、 きょうの先発メンバーには、正直、失望した。 あなたは、この試合でいったい何をやりたかったのだ? 石にかじり付いても勝ちをもぎ取って優勝の可能性を残したかったのか? 来季に向けて、新しい方向性を模索したかったのか? どっちつかずの中途半端だから弱っちゃう。 お陰で、選手入場の時も、みんなが新聞紙投げている中、私は黙々と弁当を食っていた。 パーッと景気よく新聞紙を投げる気にはなれなかったのだ。 試合は、危惧していた通り。 選手個々も、いったい何のために闘っているかの目標がアイマイなまま、 惰性で動いているかのような展開に終始した。 ゼリッチは、動かない。井原よりも動かない。 ずっと引き気味で、相手にボールが渡る前に、誰よりも先に後ろに引いている。 パスも、なるべく安全などころにしかしないし、それでいて、しばしばパスミスする。 もし横に坪井がいなかったら、確実に2ー3点は余計に取られていた。 ゴール前のヘディングクリアといい、日本代表に選ばれた坪井だけが、 目標を持って動きまくっていた。 自慢の2トップも淡泊そのものだった。たとえは悪いが 「傾斜の緩いジェットコースター」 のようなものだ。 一応、上がったり下がったりするから、形としてはジェットコースターのように見えるが、 傾斜が緩いので乗っててもちっともスリリングではないし、 恍惚感も絶頂感も味わえない。それと同じ。 一応、攻撃っぽい動きはしていても、どこか身が入らず、 内容が空虚なので、まるで観客に伝わってこない。 あれじゃ点も入るはずはない。 私なんか、Jリーグ元年の「恐怖の2トップ」モラレスとフェレイラを思い出しちゃったよ。 あん時も、ホント、ヒドかったなァ。 「こんな試合、いつまでやってんだよ!」 と後ろの席にいたニーチャンもつぶやいていたように、観客席では、 まだ0対0でガンバに点が入る前から、立ち上がって帰る客が目についた。 これは異常なことですよ。みんなレッズを応援していて、 本来、最後まで立ち上がるはずはないのだから。 さらに、ガンバの得点後は、ゴソッと観客が立ち上がったのはいうまでもない。 立ち上がった中のひとりのオジサンが、こう吐き捨てていたのが、とても印象的だった。 「サッカーを見てえな、サッカーを」 まだシーズンは終わってない。リーグ戦の残りもあるし天皇杯だってある。 このまま、こういう寒い試合を繰り返されて、 果たしてサポーターはどこまでガマンができるだろう。 Jリーグがスタートしたばかりの頃なら、それでもわき上がるお祭り騒ぎにも乗っかって、 「いずれ勝つまで」とガマンもできたかもしれない。 今の観客はW杯も間近に見て、 もはやダメなものをダメと認識できる能力を持ってしまっているのだ。 サッカーを見せてくれないとね。 皆さんの感想が山中さんのモチベーションとなり次のコラムとなります。 是非とも感想は「山中伊知郎コラム感想掲示板」までお願いします。 (山中さんも見て、書き込みをしております) <無断転用・転載を禁じます>
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