| COLUMN●コラム | ||||
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第46回 (2002年11月4日) 「ナビスコ杯2002決勝」 ■11月4日 ●0-1 対鹿島アントラーズ(国立) チケット取るの、大変だったからね。 わざわざ東京都北区の、私の両親の家に前の晩泊まって、 そこのすぐそばにあるローソンのチケット販売機の前に立って、 10月5日午前10時の発売開始と同時に買っちゃったからね。 そこまでしたんだから、なるべく試合前の国立の雰囲気を楽しみたい、 そう思って、朝の9時過ぎには家を出て、 試合開始3時間前の午前11時には国立についてたんだけど・・・。 アマかった。 こんなに出足がいいとは想像もしてなかった。 すでに競技場を囲んで、どの門の前も、 いったいどのへんまで続いているのかわからないくらいな列、また列。 代々木公園の側の列は千駄ヶ谷の体育館の方までつながっているし、 青山門の方の列も、いったいどこが最後尾なのかわからないくらいに、 神宮の森一帯をグルグルと回っている。 それも4分の3以上はレッズのユニフォームを着た「アウエー側」サポーターだ。 そもそも、自分がいったいどの列に並んだらいいのかもわからない。 とりあえず、競技場のまわりを一周して、人がいっぱい溢れているのと、 代々木公園に集まってるイラン人らしき10人くらいの集団が、 「スゲー人出だぜ」とでもいいながら苦笑いしているのと、 駐車場も道路も車の止めるスペースがないのと、 やたらと案内役のバイトのニーチャンはいるのだが、要するにどこに並べばいいのか、 よくわからないのだけが、わかった。 で、とりあえず、レッズのユニフォームを着ている人が一番多い列に並んでみようとする。 青山門を目指して、グルグル何重にも列があって、どこが最後尾やら、よくわからないところだ。 私はメインスタンドのアウエー側のS席チケットを持っていたのだが、案内役の若者は、 「あ、レッズ側ですね。だったら、自由席も指定席も全部ここに並んで下さい」 と指示を受けたのだ。 途方にくれましたね。 最後尾というところまでは行ったのだが、日本青年館のあたりまで列が伸びていて、 いったいどこがどうなれば中に入れるのかわからないくらい、前の列が続いている。 しかも、11時20分くらいに並んで、30分待っても、まったく列が動かない。 その上、前に立って待ってる人が、こんな一言をもらしたのだ。 「こんなにヒドいんなら、S席買っときゃよかった」 おいおい、どういうことだ! この列はS席の並ぶ列ではないってことか? 思い切って列から離れて、もう一度、自分が並ぶべき列を捜すことにした。 ダーレも並ばずにスイスイ入れる入り口があったんで、何かと思ったら、 それはアントラーズ側のサポーター席。 とにかくレッズ側は並ぶ。 今まで、たとえ満員の国立や埼玉スタジアムでも、ここまで並んで待たされた記憶はない。 今日の係員て、荷物検査の段取りとか悪すぎるんじゃないの、とアッタマに来た。 それはともかく、今度ははっきりとチケットを見せて、 「メインスタンドのS席に行きたい」と案内係に聞くと、 「あ、それなら正門の方に回って下さい」 と違うことをいわれる。 しかし、正門といわれても、いったいどこなんだよ。 また、しばらく競技場のまわりをフラフラしてたら、結局、一周半歩いちゃった。 で、千駄ヶ谷門の前に来て、また案内係に聞くと、 「正面スタンドなら、ここから入ってください」 ぜんぜん列の出来てない千駄ヶ谷門でスルーッと入ることができた。 入れたのが12時15分ころ。 どうなってんだ?これは。 すでに今日の試合が満員になるのはわかってたろうし、 国立の職員なら満員にも慣れてるはずなのに、観客をどうさばいて入場させるか、 しっかりプランニングができてなかったんじゃないのか? 案内係に聞けば聞くほど、状況は混乱するし。 場内に入れば、サポーター席はだいぶ埋まっているが、メインスタンドはまだガラガラ。 そりゃそうだ、試合開始1時間45分前なのだから。 いい席でしたね。午前10時と同時に買っただけあって、スタンドの前から2列目。 レッズのサポーター席のすぐ横に当たるので、応援の声も近い。 これで一気に機嫌が良くなっちゃったのだから、私も単純だ。 3席分チケットは確保して、女房と子供は試合開始30分くらい前に来るというので、 私は、ビールを一杯飲み、弁当を食ってから、一人でフラフラと場内を回ってみる。 外を見ると、試合開始1時間を切っても、まだレッズ側の自由席の列は整理できてない。 つくづく自分は自由席のチケットじゃなくてよかった、と思った反面、 また改めて、運営者側の手際の悪さにハラがたってくる。 この頃になると、なぜかトイレが近くなってくる。 一度、トイレにいっても、ものの5分もしないうちに、また行きたくなる。 緊張してきたんだな。 10年レッズを見続けて、初めてその優勝の瞬間が見られるかもしれない。 いや、見られるに違いない。これはもう、まともな神経ではおれませんよ。 仲間と芝居をしたりするとき、本番直前、よく緊張のあまり、 何度も何度もトイレにいって、別に出もしないのに、また出そうな気になってしまうことがある。 アレと近いかもしれない。 自分がプレイをするわけではないんだが、気持ちはプレイするのと変わらない。 30分で5回くらいトイレに行った末、席に戻ると、すでに1時半の時点で正面スタンドも満員。 我が家の2人も来ていた。 今回は、とにかく旗が多い。大小取りそろえて、レッズの旗をみんな持っている。 風が強いので、それがよくなびいて、戦国時代を描いた映画のワンシーンみたいに美しい。 先発メンバーの発表の時も、そのフラッグのたなびきが強烈な印象だった。 少し残念なのは、アントラーズも赤だから、どこからどこまでがレッズ・サポーターで どこからがアントラーズなのか、はっきり区別できないところ。 これで赤と青とかだったら、もっと鮮やかだったろうな。 選手入場で、レッズの選手が、白のアウエー用ユニフォームの上に、 あえて赤いウェアを着て登場したのは、「やったね!」という感じであった。 そもそも、なぜレッズがアウエーで、なぜ白いユニフォームを着て出なくてはならないのか? アントラーズは何度も優勝経験があるんだから、 今回くらいはレッズに赤のユニフォームを譲ったっていいじゃないか! せっかくJリーグ10年で最初の優勝、レッズならば「赤」でその時を迎えたい。 ま、いい。 買ったらまた赤のウェアを着て表彰を受けてくれるだろう、それを楽しみにしようじゃないか。 2時5分のはずが10分近くなってキックオフ。 がっぷり四つの大相撲、といきたいところだが、前半、どうも勢いはアントラーズかなァ。 これはチームのシステムという以上に、アントラーズの攻撃の厚みは、 明らかにレッズを圧倒していた。 惜しいシーンといえば、ゴールライン近くでエメルソンがあげたクロスに、 トゥットがうまく合わせられなかったあたり。 だが、あれを見てもわかるように、前を見ると、いつもいるのはあの二人。 後ろから福田や、横から永井がからんでくることはあるが、結局のところ、 あの二人の個人技に頼らないと点は生まれそうにない。 一方、アントラーズは、攻撃となると、後ろからどんどん人が上がってきて、 いつもゴール前には4、5人が集まってる。 だから、こぼれたボールはすぐにアントラーズのものになっちゃう。 小笠原のシュートミスなんてのは、点取られても文句はいえなかった。 0点に抑えられたのはひとえに山岸がよく守ったということだ。 前半、私たちのいた席のすぐ前のところにレッズの守るゴールがあり、 GKコーチの土田が、立ったまま、ずっと山岸のプレイを見つめていた。 土田さん、山岸、よくやってましたね! 秋田のヘディングなんて、ホント、よく止めたよ。 後半も、基本的には前半の流れは変わらない。 どうしてもエメルソン、トゥットがらみでなくてはチャンスが生まれないのが苦しいところだ。 向こうは小笠原でも柳沢でも本山でも、 横から名良橋がスルスル上がってもいろんな形のチャンスができるのだが。 もういい。相手に攻めさせておいて疲れさせ、 カウンター1発のラッキーパンチでも勝てば結果オーライだ、よし、それでいこう。 そう思った瞬間に、相手のラッキーパンチが決まってしまった・・・。 まさか井原にボールが当たって入っちゃうなんてね。 これは山岸を責められない。 単に運のよしあしにすぎないのだから。 しかし、その単なるちょっとした運が10年見続けたレッズ・サポーターの夢を あっさり打ち砕いてしまうのだから、あまりに現実は厳しい。 一対一だったな、トゥットは。 あそこで決めてほしかった。レッズが点を入れた瞬間を撮りたくて、 ちょうど使いきりカメラを構えたところで、ピンポイントで 「やったー!」 と思ったら、ボールがどこに行ったのかわからない。 あれ? とカメラを離して見たら、GKがしっかりキャッチしてる。 ガッカリだな。 思わず浮き上がった腰が抜けちゃった。 しかし、一度はしぼんだ期待をまた膨らましてくれたのが、室井だった。 「おい、ポジション間違ってるよ」 と思わず声をかけたくなるくらいに前に張り付いてFWを始めるやいなや、 ヘディング中心に、次々といいシーンを見せてくれる。 どうせなら、カップ戦で、勝ち点も得失点差も関係ないんだから、もう2、3人、 室井みたいに後ろから前に上がって張り付いちゃうような選手がほしかったな。 守ってたってしょうがないんだから。 福田も、もっと前に上がってほしかった。 5トップでも6トップでもいいじゃないか! 最後の5分、そういう攻撃が見られずに、 どちらかというとアントラーズにボールをキープされている時間が長かったのは残念だ。 試合終了の瞬間は、さりげなくやってきた。 あ、これで時間切れ? とちょっと呆気にとられたくらいだ。 もっと、1点を巡っての、ぎりぎりの攻防があった末のホイッスルであってほしかった。 アントラーズ選手の時間の使い方がうまいのか、 レッズの攻撃に、もうひとつ迫力がなかったのか。 勝てないもんだなァ。 今度こそ勝てると思ったんだけどなァ。 福田も、これで引退となったら、悔いが残るだろうな。 ナマで初優勝の瞬間を見られる、という夢は今回も果たせなかった。 私も残念だったが、1時間、2時間と列に並んでやっと場内に入ったサポーターたちも ガッカリしたし、疲れも倍加しただろう。 いつ優勝するのかな? せめて、もうすぐ48歳の私が還暦を迎える前には実現してほしい、 などというと、あまりに悲観的過ぎるだろうか。 憂さ晴らしに、家族三人で麻布十番の焼肉屋で思いっきりビール飲んで、 焼き肉食って家に帰ったからね。 皆さんの感想が山中さんのモチベーションとなり次のコラムとなります。 是非とも感想は「山中伊知郎コラム感想掲示板」までお願いします。 (山中さんも見て、書き込みをしております) <無断転用・転載を禁じます>
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