COLUMNコラム
 

          
第40回 (2002年10月6日)
「アン・ジョンファンでスタジアムが一変した」


■9月28日 ○2-1 対清水エスパルス(埼玉スタジアム)

レッズが勝ったのは、当然、嬉しい。
何で90分でケリをつけないんだ、と少々の不 満はあるものの、
田中がアジア大会で留守している間に、休み明けのトゥットが復活 のVゴールを決めて、
まさかまさかの石井も今季初ゴールで、
よくもまァ、こんなに 盛りだくさんな試合を用意してくれたものだとありがたくなっちゃう。
鮮やかな結末 に、
「こういう結果なら、Vゴール勝ちも悪くはないな」
と思ったくらいだ。

でも、このままVゴール勝ちばっかり続いてても優勝は難しいので、残り9試合、
90分勝ちとVゴール勝ちが変わりばんこに来るくらいの計算でいってほしい。
ホント に冗談じゃなく、優勝争いの中心になっちゃってるもんなァ。
ナビスコ杯と第2ステ ージの2冠に輝いたりしたら、どうやってお祝いしよう。
こりゃ11月は落ち着いてら れませんよ。 

ま、ともあれ、きょうの注目はやはりアン・ジョンファンだったな。
先発メンバー発表でリザーブとして「アン・ジョンファン」の名前が呼ばれた時の、
レッズ・サポーターのブーイングの凄かったこと・・・。
リザーブはおろか、先発選 手でも、あれほど派手なブーイングを聞いたことはなかった。
あの、メンバー発表の際の、敵選手に対するブーイングほど、
「これから試合が始 まるぞ!」
と客席が気合いが入る儀式はない。
だいたいジュビロだの、アントラーズ だの、強いチームほど有名選手が多いから、
ブーイングのボルテージも上がる。中山 とか柳沢とかの名前が呼ばれて、
「ブーッ」と飛び出すのを聞くと、強豪チームと闘 える幸せが全身に染みわたってくるのだ。

しかし、きょうのアンに対するブーイングは中山レベルじゃなかった。
「いいプレ イしてJリーグを盛り上げてくれよ」
というその期待値がそのままブーイングとなっ て爆発した感じなのだ。
楽しいなぁ。
たとえ敵チームでも、スター選手が入って試合全体のテンションが上 がるのは、
観客として見てて嬉しい。

後半になって、アンが途中出場した時のブーイングがまた凄かったね。
見ると、レッズ・サポーター席の人たちだけでなく、
広い埼玉スタジアムの観客席全体がひっくり返らんばかりのブーイング攻勢。
それから、観客の多くの視線は試合全体よりエスパルスの背番号「26」に注がれていく。
私の隣りに座った、小さい子供をそれぞれに連れた2人のお母さんたちは、それまで、
「田中達也がいないのが痛いわね」
と明らかにレッズ・ファンの会話をしていたのが、アンの登場とともに一変。
「ね、ね、どこよ、アン・ジョンファン」
「ほら、あそこよ、あそこ」
ともっぱら彼がどこにいるのかを目で追うばかり。
いいじゃないの、プロだもの。注目されなきゃダメさ。

いや、こんなことを書けるのも、レッズ好調の余裕からかもしれませんな、
ハッハ ッハッハ、と。


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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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