COLUMNコラム
 

          
第33回 (2002年4月10日)
「運命」


■4月7日○4−1 対サンフレッチェ広島(駒場)

どうも、巡りあわせが悪いというべきか、
私、急用があって駒場には見にいけなかったのだ。
Jリーグでの駒場100戦目、しかも今シーズン初勝利をナマで見られなかったとは、
実にもって情けない限りだが、なぜかしばしばこういう目にあってきた。

思い起こせば1993年5月29日、駒場での対川崎ヴェルディ戦、
要するにレッズのJリーグ初勝利の時も偶然仕事があって見ていない。
さらにその翌月、またまた駒場での清水エスパルスを迎えてのホームゲームでの
2勝目も、これまた見ていないのだ。
負けてる試合は全部ナマで見てるのに。

今年もまた、横浜まで子供と一緒にわざわざアウエーの試合は見に行って負けて、
肝心のホーム、ちょうど行けない試合の時に勝つ。
運命だね。
 これは、私がずっとナマで見ないとレッズは優勝できるんじゃないかと思っちゃう。
弱ったもんだ。

とにかく試合の様子は午後6時半からのテレビ埼玉の録画中継で見せてもらった。
残念だな。やはりテレビ画面で見てるのって、味気ない。
ボールがある場所だけしか写してないのだから。
実況アナが、
「あ、私たちが福田について話し出した途端、福田コールが始まりましたね」
などと説明していたが、福田コールもナマで聞いてこそで、
テレビを通すと、迫力のないことおびただしい。
 
いずれにせよ、数字だけ見ると完勝。
それはそれで嬉しい限りだが、100%喜べるかっていうと、どうかなァ。
結局、トゥットとエメルソンの個人的能力であげた4点で勝負を決めただけであって、
何かレッズが勝ったというより、この二人が勝ったっていう感じなのだ。
 
野球だって、助っ人外国人の3、4番がボカスカとホームランを打って
勝つのも悪くはないが、出来れば生え抜きの日本人選手にも活躍してもらいたいでしょ。
その点でいくと、期待のDF・坪井が開始早々あっさり抜かれて得点されたり、
あまり楽しくないシーンが多い。
それ以上に福田だな。
今の彼を見ていると、かつて、
花形の二枚目としてならした中年俳優のイメージがダブって仕方ない。
そのまま二枚目で押し通して渡哲也や加山雄三のような路線でいくか、
黒沢年男みたいにバラエティでお笑いの味を加えるか、
竜雷太などのように渋いワキ役として生き残っていくか、ちょうど岐路に立たされている。
2列目で起用されているってことは、
オフト監督的には「竜雷太でいけ」と考えているのだろうが、
果たして福田自身はそれで割り切っているんだろうか?
年をとっても花形二枚目の自分に、まだ未練があるのではないか?
どうもそのへんがアイマイなままになっていて、
動きにも思い切りが欠けてるような気がしてならない。

合理的に考えれば、花形部分はエメルソンあたりに任せて、
竜雷太に徹した方がいいのはわかってる。
でも、10年も福田を見つづけた身としては、
当然、「生涯花形」のままピッチを去って欲しい感情もある。
わからん。これも運命が決めるしかない。


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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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