COLUMNコラム
 

          
第24回 (2001年9月14日)
「あえて城定を個人攻撃する」


■9/8対ジェフ市原戦

 個人攻撃なんていうのは、本来、してはいけないのはわかってる。
どの選手だって、ベストを尽くして懸命にやってるのだろうし、
調子のいい時だってあれば悪い時もある。
いいプレーが出来なかったら、周りがいう前に本人がツラい。
でも、今回はあえて言っちゃう。
とりあえず、来年はともかく、今年一杯はこの布陣で行くとしたら、
城定には、もうちょっとレベルの高い選手になってほしい。
そんな願望を込めて、彼を個人攻撃する。
今回のジェフ戦、私は自由席で、
ちょうどレッズ・サポーターが集まるゴール裏の一番後ろに座った。
だから、縦の動きはあまりよくわからないが、横の動きはとてもはっきりと見えたのだ。
だからこそ、左サイドを守る城定の動きが気になって仕方なかった。
 
 不安そうというか、自信なさげというか、彼の動きには、
いつも一瞬の躊躇の間があるのだ。
ディフェンスをしている時も、攻撃参加して前に出ようとする時も、パスを出す時も。
だからたとえいいパスを出しても、ほんのちょっとボールのスピードが鈍るために、
相手にインターセプトされてしまう。メリハリと、思い切りが、ない。

 で、試合開始からずっと心配だった。いつかあの動きではボロを出すんじゃないか?
もしジェフがゴール前で右へ左へと振って来たら、ジェフの右側、
つまり城定の守るレッズの左の方から崩れていくんじゃないか?

 幸いというか、開始しばらくは、なぜかジェフは反対側のサイド一辺倒で攻めてきた。
それにどうにかDF陣もバランスを崩さずに対応していた。
その一方で、レッズ攻撃陣は何度もCKのチャンスを掴みながら、
決定的な得点チャンスすらない。
もしそこで1点でも入ってたら、と思うのだが、
まさか城定の躊躇がみんなに伝わったのではなかろうが、
なぜかパスの前に一瞬の間が出来る。
だからパスコースを消されて自分で持っていこうとしてツブされ、チャンスは潰える。
そんなシーンが何度も繰り返されていった。

 まいったなァ、ジェフが左、左と来てるうちに何とかしなくちゃ、
と客席の私の方が焦ってる前半30分頃、ついにジェフが左から右へと振り始めた途端、
あっさりとチェ・ヨンスに振り切られてヘディングの一発だ。
城定、なんとかしてくれ!
キミが止めるはずではなかったのか! 

  2点目もまた変わらない。ゴール前で右左と振り回されたあげく、
レッズの左サイドをついてきたチェにもう一丁、っさてな感じでやられてしまう。
安藤の動きも、そりゃいささかギコチなかった。
彼にも、思い切りのないプレイに対する歯がゆさはある。
だが、それ以上に城定なのだ。

■復活しろ!城定!!

  私たちは昔、城定が鳴り物入りで市立船橋からレッズに入団したのを知っている。
「超高校級左サイドバック」として、ユースやオリンピック代表はもとより、
2002年のワールドカップには日本代表として左サイドを守れる逸材、
と騒がれたことも知っている。
小野入団の時ほどじゃなかったけど、それに近い騒ぎだった。
なぜこうなっちゃったんだ?
ぜいつもオズオズと自信のなさそうなプレーをしてるんだ?
ほとんどレッズのDF陣が崩壊しかかっている今こそ、
昔の市立船橋時代の輝きを取り戻せるチャンスではないか。

もう点を取られたのはいい。振り切られたのはいい。ミスを犯さないように、
とチマチマしたプレイをするのは辞めよう。
かつての城定は、思い切りのいい前線参加から、
決定機を作る正確なセンタリングをあげることではなかったか。
そこに戻ればいいのだ。
ディフェンスだが攻撃だかわからない位置で、フラフラと迷っている場合ではない。
年だってまだ24歳。サッカー選手としてはそう若くもないが、
埋もれるにはまだ早すぎる。


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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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