COLUMNコラム
 

          
第22回 (2001年8月18日)
「 天才のいない8月」


■8/18対東京ヴェルディ1969戦

 どうも。お久しぶりです。実は先週の第2ステージ開幕戦は、
駒場でのゲームにもかかわらず見に行ってません。
ちょうど私、関根勤率いるカンコンキンシアターというグループの芝居に出演者のひとりとして参加しており、
新宿シアターアプルの舞台上にいたのであります。
今年の私の役は、関根さんが扮するゲゲゲの鬼太郎と大滝秀治の合体形「ゲゲゲの秀治」のオヤジ、
つまり目玉のオヤジであり、セリフは
「私が目玉のオヤジです。おい! 秀治!」
の一言だけ。
しかし、13年も続いてる仲間たちとのお祭りでもあり、夏のイベントとして欠かすことはできないわけです。

てなわけで、一気に口調も変えて、きょうの試合について書いていきたい。
  いや、まいったな、わざわざ雨がふったりやんだりの不安定な気候の中で飛田給まで行って、
あんなにイライラするとは思わなかった。
  フロントはいったい何を考えて第2ステージに向けて補強したのか、よくわかんなかったね。
一見すると、レッズ側が攻めに攻めて、
なかなか決め手がなくて得点できないスキをつかれてヴェルディにつけこまれ、
やらでもがなの2点を奪われて負けてしまったように見える。
レッズはやや不運だった、それに対して少しばかりヴェルディの方がラッキーであった、と。
とーんでもない!
きょうの敗戦は、あれは必然ですよ。
このままいったら、レッズはずっと負けつづけなくてはいけないのかもしれない。
なぜ即戦力のDFを補強しなかったんだ!
 小野を放出して4億だかもらったんでしょ。
どうしてそれを、そこそこ層も厚いFWの方に使ってわざわざエメルソンなんかつれてきて、いいDFを捜さないのだ! 井原なんか、何が怖いのか知らないが、相手のFWが迫ってきたら、
つぶしにいくより先にあとづさりしてるではないか!
あんなんで、敵の攻撃が止められるか! 
1点目は、DFがしっかりと桜井をつぶせなかったことから生まれた失点。
2点目は、相手の攻撃を止めるパワーがないばっかりに
ペナルティエリアの中で派手に突っかけてファウルとられたことからの失点。
思うに、「決定力」が必要なのは、FWだけではないのだ。
DFにだって、攻めてきた相手を確実につぶせるだけの「決定力」が要求される。
ブッフバルトなんてのは、ホレボレするほどにそれがあったもんな。
今のレッズに求められているのは、まずそうした「決定力のあるDF」じゃないか!
チョロッとDFの数を増やしたって、戦力にならなきゃしょうがない。

■天才のいない8月

だいたい、わざわざエメルソン連れてきても、今のままじゃ生かしようがないではないか。
レッズの選手として登場する彼は初めて見たし、確かに動きも素早いいい選手かもしれない。
でも、たとえば中盤から、いったい誰が効果的なパスを出すのか?
シュートの数は多かったとしても、きょう見ていった限り、中盤の選手はてんでんバラバラに動き回っている感じで、引き締まった統一感がない。
「天才」が去ってしまった後遺症だといわれればそれまでだとしても、
そんなのんびりしてる場合じゃないよ。
最下位のヴェルディにも負けるってことは、十分にJ2落ちの可能性だってあるってことにほかならないんだから。
岡野の移籍問題にしても、無理にFWの数を増やしたのにも原因があるわけだろ。
どうしてこんな、チームがイビツになるような手を打ってしまったんだろう。
はからずも後半、岡野、エメルソン、田中と、なかなか期待の持てる3トップになったものの、
3人の呼吸はまったく合っていなかったようで見せ場もこれといってなく、
かろうじて阿部のFKの1点がやや心を和ましてくれただけだった。
エメルソンがいいとか悪いとかではない。少しはお金をフンパツして、日本人でも外国人でもいい、
とりあえず敵のFWが攻めてきたら逃げずに体でガシッと止める、
頼りがいのある「兄貴」のようなDFを連れてきて欲しい。
でないと、「天才のいない8月」はボロボロになっちゃうよ。


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山中 伊知郎(ヤマナカ・イチロウ)
昭和29年、東京生まれ。
早稲田大学法学部卒。
18歳からハゲはじめ、頭を剃る。
「スケバン刑事」の脚本家、テレビ番組の構成作家などを転々とした後、
フリーライターに。
関根 勉率いる劇団「カンコンキンシアター」の一員でもある。

TBSラジオ
「永六輔の土曜ワイド」にもレギュラー出演中。

主な著書
「関根 勤は天才なのだ」(風塵社)
「浦和レッズ至上主義」(風塵社)
「チョットいい犯罪」(図書新聞)
「頭髪のすべてがわかる本」(日本実業出版)

浦和市民であり、もちろん熱狂的浦和レッズファン。

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