| COLUMN●コラム | ||||
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第12回 (2001年5月3日) 「狩猟民族」 ■5/3、対ジュビロ磐田戦 どうも、まいったな。 中山の得点を見て、私は思わず「かっぱえびせん」のCMを思い出してしまった。 あれ、「やめられない、止まらない」だったけど、 中山のあの走りは、まさしく「止められない、止まらない」だな。 どうしちゃったんだろ、井原は。 年もちょうど同じくらいだし、前に「筋肉番付」で若手を相手にランニングやってたくらいだから、 そんなに走力そのものは衰えていないはずなんだが、 なぜああも軽々と中山に振り切られてしまうのだろう。 あれほどの名選手に対してとやかく言いたくはないが、 勝負勘が急速になくなっているのだろうか? 少なくとも、中山と比べて、瞬時にボールがどこにくるのかを判断する能力、 つまり反射神経が圧倒的に鈍かった。かつてはああじゃなかったはずだ。 いや、問題は井原だけではない。 私、今回、年間契約のシート席はふたつしかなく、 それを女房と息子が占めてしまったため、自分だけ自由席で観戦した。 6時過ぎに国立競技場についたら、とっくにレッズ側の自由席は満杯状態で、 やむなくジュビロのサポーター席に非常に近い場所で見ることになった。 つまり前半は、レッズが私のいる席のすぐ前にあるゴールに向かって攻めてきて、 後半はジュビロが攻めてくる形だ。 違うな。どこかが決定的に違う。 レッズの攻めとジュビロの攻めの違いを見ながら改めて サッカーが狩猟民族のスポーツなのを思い出した。 たとえば巨大なマンモスを獲物と見て、集団で囲んで倒すようなものなのだ。 しっかり役割分担をして、全員がマンモスを倒すために機能的に動きつつ、 最後の決め手になるヤリをマンモスの体に刺す作業は、 果敢にデカイものに襲いかかる度胸と、 的確なタイミングを掴むセンスを持った才能ある個人にゆだねられる。 一瞬の大切さが、コツコツと長く努力すれば実を結ぶ農耕民族とは、根本的に違う。 稲や麦は、マンモスや獣たちのようには、突然反撃してきたりはしないからだ。 ジュビロは、少なくともきょうの試合を見る限り、明らかにレッズよりも狩猟民族だった。 中山も、高原も、縦横無尽に空いたスペースを求めて走り回り、 名波をはじめとした後方部隊はそれをターゲットにしてパスを出し、 中山がサイドからセンタリングをあげれば、 しっかり、その後方部隊を含めた3、4人が前でスタンバイしており、 みんな、獲物を倒すためにはどう動き、スキを見つけたらどうそれをついていく べきかを知り尽くしてプレーしていた。 言い換えるならば、より野獣に近いといってもいいかもしれない。 一方のレッズは、野獣の猛々しさと強さがあまり見られなかった。 一番感じるのが、サイドバックの動きだ。 強豪・ジュビロを相手にするなら、前の選手だけが攻撃しても 突破口はなかなか開けないのは自明の理。 内舘、山田の両サイドがどれだけ積極的に攻撃に参加してチャンスを作ってくれるのか、 そこがまさにレッズが狩猟民族として一流であるかをはかる 大きなバロメーターではないか。 ■違い 事実、前半の15分くらいまで、私のよく見える方だった左サイドの内舘はそこそこ よく前に上がってきて、レッズのチャンスが作られていた。 しかし、25分を過ぎたあたりでパッタリと足が止まる。 疲れたんだろうか? でも、いくら何でも早すぎる。 もし相手がマンモスなら、そんなに早く疲れてたら、 踏み潰されて死んじゃうくらいの時間だ。 後半は反対側の山田の動きがよく見えるようになったが、 やはりあまり積極的に前に出ようとはしない。なぜなんだろう? なぜ昔のように冒険心旺盛にドリブルで勝負しようとはしないのか? かつての山田は、今の田中と同じくらい、いやそれ以上に輝いていたはずなのに。 西野を見ていると、エリートサラリーマンとして大企業に就職するはずが うっかりJリーガーになってしまったような、座りの悪さを感じてしまう。 なぜもっと思い切ったブレーができないんだろう。 相手をぶっ飛ばしてもボールを止めるとか、 敵ゴールを狙うくらいに強烈なクリアボールを蹴るとか。 一応、狩猟民族の本能をもって動いていたのは小野と、 コマネズミのような田中くらいのものだ。 永井はスペースを捜してけっこう動いてはいたが、 まわりがそれを見る余裕がないのか、あまりボールが渡らずに前線で孤立していた。 要するに、客席から見て、レッズが攻めてくる時には点を取ろうとする迫力がなく、 ジュビロの時にはビンビンに感じたということだ。 どうしたらいんだろ。 レッズの中で最も野獣に近い男・岡野や、コンタクトに強いトゥットが ケガで休みなのは当然響いている。 でも、今のレッズに必要なのは、それ以上にサイドバックが豪快に攻めあがってくるような、 後ろから湧き上がってくる積極性なのだ。 サイドバックに野獣はいないのか! 皆さんの感想が山中さんのモチベーションとなり次のコラムとなります。 是非とも感想は「山中伊知郎コラム感想掲示板」までお願いします。 (山中さんも見て、書き込みをしております) <無断転用・転載を禁じます>
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